芳人





「よせっ……」

マリオネットのように片脚を自由にされ、芳人は抗う。
男を両脚に挟むせいで、閉じる事も出来ない。

きっと、彼には全て見られている。
自分を陵辱した最低の男に、隠すべき場所を全て見られている。

隆成はにやりと笑った。

「いい眺めだぜ」

言いながら、ベルトに吊られて浮く尻の狭間に、ゆっくり手を伸ばす。
そこは淡雪のような肌の奥に、桜色の穴を覗かせている。
昨夜、破瓜されたばかりの可憐な穴を。

隆成は当然のように尻を掻き分けると、花の蕾のようなそこを、おもむろにタッチする。
征服者の傲慢さで、確かめるように、感触を楽しむように、芳人の恥ずかしい場所を撫で上げる。
芳人は羞恥と屈辱と焦りを感じずにいられなかった。

「やめろと言ってるだろう?  傷付けたのは悪いけど……こんな事は二度とご免だと、何度言えば……」

矜持を総動員し、芳人は慮外者をきつく睨む。
隆成は更に笑うと、芳人に伸し掛かった。

「あんたはまだ自分の立場が分からないらしいな。もう一度、よく思い知らせてやろうか」

彼は手に唾を吐くと、その手を芳人の尻になすりつける。
ヌチュッ……と卑猥な音を立て、男の指が尻穴をこじ開けた。
そこは昨夜の暴行跡も覚めやらぬまま、鈍く疼いている。
感触に芳人が怖気立てば、彼は指を埋め込んできた。

「ッ……」
「まだ柔らかいな」
「知る、か……」
「吸い付いてくるぜ?」

からかいながら、指が腸をかき回す。
芳人は希望が失われていく気がした。
またしても秘めるべき排泄器官を嬲られている。
こんな事をされる覚えは無いはずなのに。

その時、男の指が内壁の一点をゆるく抉った。
刹那、じわり……と内奥が鋭く発熱し、熱は瞬時に四肢に伝わっていく。
それは、昨夜初めて知った感覚だ。
身体をつくり替えられてしまうような、自分の意思ではどうにもならない淫らな感覚。

嘘、だ……。

芳人は困惑せずにいられない。
嫌なのに、身体はあさましい熱を帯び始めている。

「や、だ……」

上体を捩って、芳人は必死に抵抗する。
昨夜のような事は、決してなりたくない。

だけど、隆成はベルトを操って抵抗を難なく封じると、指を無遠慮に蠢かす。
しばらくそうすると、そこから指を抜き、ジーンズのファスナーを下ろす。

ジーンズの前開きから、重量のありそうな赤黒い男根が覗いた。
長く、太いそれは、猛々しく鎌首を擡げている。
芳人の後孔に狙いを定めて。

凶器にしか思えないそれに、芳人は息を呑んだ。
隆成は芳人を二つ折りに押さえ付けると、剛直を尻の窄まりにあてがう。
そして、当然とばかりに荒々しく、我が物顔で腰を進めるのだ。



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